在来軸組工法の継手と仕口
長さの限りがある木材で家を組むには、木材を加工して接合しなければいけません。
材料の長さ寸法を増すために2つの部材を継ぐ場合の端部の加工形状を「継手」
2つ以上の部材をある角度をもって接合する場合の加工形状を「仕口」といいます。
継手、仕口にはたくさんの種類があり、単純なものから、複雑なもの、中には意匠的なものまであり、木材や継ぎ方によって、強度も変わってきます。
継手や仕口はまだ金物がない時代に「木」のみで接合するために生まれた技術です。
その手法には先人たちが長い時間をかけて試行錯誤をくりかえし、培ってきた、伝統の技や智恵が生きています。
最近はプレカットの普及により、接合金物との併用が一般的です。
形状と使用法
形状にはさまざまなものがあります。
代表的なものとしては、腰掛け、ホゾ、蟻、鎌、相欠きなどで、
これらを組み合わせることもあります。
梁や土台などで上木を受けるための補助的な目的で蟻継ぎや鎌継ぎなどと組み合わせて用いられます。
部材の木端面につくりだした突起のことをいいます。ホゾは差し込まれているだけなので、引き抜きの
力には抵抗できません。このため、楔や込み栓で緊結するなどします。
鳩の尾のようなかたちをした継手です。鎌と同様に在来工法で最もよく用いられます。
先端が鎌形をした継手です。これらは、腰掛などと組み合わせて使われます。
接合される二つの材をそれぞれ欠いて重ね合わせる継手・仕口です。